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In dwam

In dwam Risa Tsunegi 13 April – 29 June 2015   Opening night reception: 13 April, 19:30 – 21:30 Wall Dance, Risa Tsunegi, 2015. Mixed media, approx 170 x 120 x 17 cm. . 常木理早の作品は、60年代と70年代のアメリカのミニマリスト運動から大きく影響されています。 それに加え、ポスト抽象表現主義のエスセティックの影響も窺うことができます。 数多くのポスト抽象表現主義のアーティストのように、彼女の造る作品は一般的な姿を拒み、形のフィジオロジーに焦点を置きます。 彼女の作品に見る、形、重さ、重力、建物の空間を分割するような作品のあり方は、一見、アメリカ人彫刻家リッチャード・セラの作品を思い起こさせます。 しかし、彼とは違い、常木は驚きと欺瞞をテーマとします。 目で見える物が真実とは限りません。常木は、幻想を作り出す魔術師のようです。2009年の作品<ガーダー>の、重力に逆らうように空中に浮かぶ500センチの鋼のビームは、まさに魔術のようです。 この重たい鋼の柱は、あたかも動画の静止画のように時間が止まっているように見えます。常木がどうやってこの柱を時空に浮かばせたのかは、いくら見ても、分かりえないでしょう。 鋼に見える柱が実はフォームでつくられていて、コンクリートの地面に直面する角が実は地中に続く柱のサポートになっているのが、ツネギの魔法の秘密です。 同じく構造されているのが、彼女の2010年の作品<ドリップス>です。 鋼のフレームから垂れ下がるペンキの雫が、落ちる前の一瞬を永遠に止 め、保った作品です。また、この作品も<ガーダー>のように、ペンキはスポンジを使ってつくった作品です。 視聴者を惑わしていないのであれば、常木の作品は視聴者に空間の構造を尋ねています。 視聴者に新しい空間の見方を主張しているかのようです。 今回のザ・コンテインナーで展示する作品<In dwam>では、コンテナのサイズと空間を利用し、新しい空間とイルージョンをつくりま す。 インスタレーションは、<ウォール・ダンス>というミックスド・ メディアでつくられた壁と柱の構造と<アタッチメント>という天井からぶら下がる小さな彫刻の二つの作品です。 <ウォール・ダンス>(170x120x177cm)は、タイル張りの壁の中心にコンテナの天井から地面へ柱が突き刺さっている作品です。 一見すると、この作品は後ろの壁へと繋がるようであり、石膏で造られているように見えます。 しかし、よく見てみると分かるのが、壁が実は奥に向かっていくにつれカーブし、ハンドメイドの石膏製タイルで覆われた、フォームで形成された土台だということが分かります。 一見頑丈な構造も、映画の撮影現場のようにフェイクな模造でしかない幻想ということが明らかになります。 […]