House 100
Shibuhouse
21 May – 30 July 2012
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(English below)
“前衛が死に、皮肉的な表現が増えるいま、美術は誠実さを欠いているようにみえる。ナルシズムとニヒリズムは存在しない注目を浴びようと戦い、キッチュとキャンプは形骸とかした主役の座を奪い合い、アーティストと批評家は鏡に写る自分の姿を見てエゴイズムに酔うだけだ。
Ken Wilber, The Eye of Spirit: Integral Art and Literary Theory
今回の渋家「House 100」展は、渋家のありのままを展示するという、パフォーマンス要素を取り入れた試みです。渋家とは2008に形成されたアーティスト・コレクティブで、かれらは渋谷でシェアハウスをしながらアートの可能性を探っています。今回の展示は、アーティスト、デザイナー、ミュージシャンなど渋家のメンバー達自身がインスピレーションを受けた人々にインタビューして、日常とアートを分つ境界線を問うことを主旨としています。
会期中The Containerはオフィス風、あるいは渋家の家のように改装され、インタビューワーとは雑談形式で家や家族、またそれらが芸術活動へ及ぼす影響について会話します。
インタビューはどれもネットで生中継され、後日オンラインで動画を観ることもできます。加えて、ブログやツィッターによる詳細も随時ネット上に載せられます。
“中継は…少し前に見た動画がどんどん消えて流れていく。電子は、一フレームごとに二つのイメージを構築し組み合わせて画面を完成させる。だがスクリーン上にみる動きは、連続したフレームによる目の錯覚にしか過ぎないうえ、一つ一つのフレームは不完全な画の連続でしかないのだ…“
Sean Cubitt, Timeshift: On Video Culture
会期中The Containerには、インタビューのための椅子、ライト、パソコン、ビデオカメの他、渋家メンバーの写真が雑誌Time Magazineが毎年発表する「世界で最も影響力のある100人のリスト」を模したレイアウトで展示されています。インタビューが一つ終わると、インタビューワーの写真も壁に加えられていきます。
インタビューが行われている際にThe Containerへ行った場合、コンテナ内に入ることはできないものの、外から見ることはできます。